こみや市民共同太陽光発電所

埼玉地域交流会ではこれまで、NPO法人環境ネットワーク埼玉との協働による市民共同発電所の設置を、埼玉県内の公共施設で手がけてきました。2017年3月に新たに完成した「こみや市民共同発電所」は、初めて埼玉地域交流会単独で取り組んだ事例です。

建設場所は、デイサービスが併設され、子どもとお年寄りとが昔ながらの“大家族”のように過ごしている、熊谷市の「社会福祉法人古宮会ほしのみや保育園」。地球温暖化の影響を最も受けるであろう次世代の子どもたちに、太陽光発電や自然エネルギーを身近に感じられる場をつくるとともに、地域の人々と一緒に環境学習にも取り組もうというプロジェクトです。

 


=寄稿=                                                                                                                       ほしのみや保育園市民共同太陽光発電所の5年間をかえりみて

 平成29年3月にほしのみや保育園市民共同太陽光発電所が発電を開始してから5年が過ぎます。

 開始から5年間、年長組の仕事となった発電量の記録は、3時のおやつの後、各クラスを回りゴミ集めをし、その後に先生と発電量をチェックすることが習慣となりました。発電表示板の前で発電量を示す数字を読み上げ、グル―プの子たち全員が名前を書いてもらいます。また、点いている電球の色をそれぞれが大きな声で「あか」「あお」「きんいろ」「みどり」などと教えてくれ、点滅を繰り返す発電表示板を見ながら大騒ぎをしています。そして、最後にご褒美のスタンプを手に押してもらい得意顔の子どもたちです。

 

 保育園の屋根に太陽の光を集めて電気を作ることができるパネルが乗っていて、そこで発電された電気が発電表示板の数字として出てくる仕組みだということも説明しています。周囲に障害物がなく、屋根の勾配が緩いのでおひさまの光をたくさん受けるのでしょう。この辺りでは発電量が他と比べると多いようです。曇りや雨の日、発電表示板は電気がつきません。数字も「0」のこともあります。そんな時、「今日はさ、おひさまが出ていないから電気がつかないんだよね」と、したり顔で説明をしてくれます。おひさまと電気の関係をしっかりと解っているようです。

 

 平成28年の夏頃だったと思います。市内の保育園で園長をされている方からの紹介でNPO法人太陽光発電所ネットワーク埼玉の國井さんが訪ねていらっしゃいました。たしか、市民共同太陽光発電所の設立に携わっておられ、これまでに数か所の市民共同太陽光発電所を

設立したことや設立に向けての仕組み、太陽光発電の特徴をお話してくださいました。他の保育所や自治会の取組みも詳しく教えていただき、当法人でも市民共同太陽光発電所の設立へ向けて動き出しました。

 まずは、発電所の設置資金の調達に向けて、募金のチラシ作りから始めました。子どもたちが元気にジャンプしている写真をメインに募金への協力をお願いしました。資金面では、県の補助金、NPO法人太陽光発電所ネットワーク埼玉の援助と募金で、事務的な手続き等ではNPO法人太陽光発電所ネットワーク埼玉の全面的なサポートがあり、ほしのみや保育園市民共同太陽光発電所は設立することができました。

 

平成29年3月11日、関係各位、来賓の方をお迎えして行った発電所の開所式のことが思い出されます。当時、年長組だった子どもたちが保育園代表として出席し、点灯式に特別に用意していただいたスイッチを全員でON、お礼の言葉・歌を披露し式典に花を添えてくれました。あれから5年、この子たちは、今年の春、小学校6年生になりました。

 

 太陽光パネルの裏側(白色)に特殊な絵の具で、お絵描きをしました。絵の描けない小さな子は手形で、大きな子たちはクラスで相談し、思い思いの絵柄を描きました。併設している通所介護 ほしのみやデイサービスセンター利用者で90代の男性が水墨画のような絵を描いてくださったのが印象に残っています。何年先になるかわかりませんが、園舎解体やパネル交換の時にパネルの絵に再度会えることを想像するだけでワクワクします。

 

 毎年、7月に行われる「ほしのこたなばたまつり」では、NPO法人太陽光発電所ネットワーク埼玉のお仲間が応援に来てくださり、園庭の縁台でソーラーカーを走らせたり、ソーラーパネルを装着した昆虫たちが本物の昆虫たちのように動きだしたりする様子を見て、はしゃいでいました。また、うちわで扇ぎ発電する機械(風力発電)、ハンドルをぐるぐる回し電気をつけるもの(手廻し発電)もあり、その変化を楽しんでいました。コロナ以前は親子で参加する行事でした。この太陽光コーナーは、子どもだけでなくお父さんたちにも大人気でした。コロナ禍、縮小して子どもと職員で年長組の子どもたちが中心に行いましたが、この時もNPO法人太陽光発電所ネットワーク埼玉の方々が応援に来てくださいました。様々な事に興味を抱く年齢です。とても良い時間を過ごさせていただいたと感謝しております。

 コロナ禍3年目、今年は、制限を緩和し、時間と人数を区切り親子で楽しむ「ほしのこたなばたまつり」を計画中です。今回も是非お手伝いをしていただきたいとお願いしたところ、快諾をいただきました。今年もよろしくお願いいたします。

 

 生活がとても便利になり、スイッチひとつで何でもできる時代になりつつありますが、子どもたちには「電気って、どこから来るの」「電気を作る機械の仕組みはどうなってるの」など、ただ電気の恩恵に与かるだけでなく、感謝の念を持ったり、不思議だなという感覚を持っている人になって欲しいと思います。

 社会全体が落ち着かない情勢である現在、市民共同太陽光発電所の取組みが、子どもたちが生きる力をしっかりと身につけていけるような関わりとして広がり、素敵な繋がりになっていくことを祈ります。                    

(ほしのみや保育園園長 茂木孝子様 記)

(さいたま通信2022年5月号からの転載)

発電量報告


推定発電量との比較

 

グラフは、2022年1月から3月までの推定発電量と実発電量の比較です。どの月も推定量を上回る良好な発電量を示しています。


発電量の近隣比較

 

グラフは、2022年1月から3月までの発電量の近隣比較です。赤い線が本発電所の1日当たり1kW当たりの発電量のグラフです。各月とも、埼玉県内の平均発電量を大きく上回っています。


推定発電量との比較

 

グラフは、2021年1月から12月までの推定発電量と実発電量の比較です。どの月も推定量を上回る良好な発電量を示しています。


発電量の近隣比較

 

グラフは、2021年1月から12月までの発電量の近隣比較です。赤い線が本発電所の1日当たり1kW当たりの発電量のグラフです。各月とも、埼玉県内の平均発電量を大きく上回っています。


推定発電量との比較

 

グラフは、2020年1月から12月までの推定発電量と実発電量の比較です。どの月も推定量を上回る良好な発電量を示しています。


発電量の近隣比較

 

グラフは、2020年1月から12月までの発電量の近隣比較です。赤い線が本発電所の1日当たり1kW当たりの発電量のグラフです。各月とも、埼玉県内の平均発電量を大きく上回っています。


推定発電量との比較

 

グラフは、2019年1月から12月までの推定発電量と実発電量の比較です。どの月も推定量を上回る良好な発電量を示しています。


発電量の近隣比較

 

グラフは、2019年1月から12月までの発電量の近隣比較です。赤い線が本発電所の1日当たり1kW当たりの発電量のグラフです。各月とも、埼玉県内の平均発電量を大きく上回っています。


推定発電量との比較

 

グラフは、2018年1月から12月までの推定発電量と実発電量の比較です。どの月も推定量を上回る良好な発電量を示しています。


発電量の近隣比較

 

グラフは、2018年1月から12月までの発電量の近隣比較です。赤い線が本発電所の1日当たり1kW当たりの発電量のグラフです。各月とも、埼玉県内の平均発電量を大きく上回っています。


推定発電量との比較

 

グラフは、発電を開始した2017年2月から12月までの発電量と推定発電量を示しています。すべての月で、推定量を超える発電を示しており、順調に発電していることが分かります。


発電量の近隣比較

 

グラフは、2017年の発電量の近隣比較です。赤い線が本発電所の1日当たり1kW当たりの発電量のグラフです。各月とも、埼玉県内の平均発電量を大きく上回っています。